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キム・ニューマン ドラキュラ戦記

先日アマゾンで中古購入したキム・ニューマンの『ドラキュラ戦記』を読みました。五時間くらいかかったぞ……。

その分厚さと驚くほどの情報量に対してストーリーはわかりやすく読みやすいものです。今回はボウルガードはいくらか引いた形で(とはいえ裏の主役として充分すぎる存在感がありますが)登場し、ジュネは一時彼と別れて南米にいます。代わりにヒロインとして眼鏡ッ娘のケイトが活躍します。若き諜報員、ウィンスロップは主役のように書かれていますが、実際にはこの作品の主役はケイトでしょう。

16歳のときに吸血鬼になり、そのままの姿で生き続けている、ドラキュラよりも古いエルダーであるジュネが出てこないのは残念ですが、ケイトは若き(とは言っても50年以上生きていますが)吸血鬼として生き生きと書かれています。
キム・ニューマンのドラキュラシリーズの魅力はそのキャラ、複雑でありながらすっきりとまとまるストーリーもありますが、何よりも登場人物の一人一人がなんらかの小説・映画・劇などの登場人物であるというメタ・フィクション形式です。同時代に生きた設定となっている人々がこれでもか、とばかりに出てくるのはまさに圧巻。またはちさんにはその半分もわからなかったりするのですが、それでも楽しいものです。それにちゃんと巻末に人物辞典がありますので安心です。

彼のドラキュラシリーズは『ドラキュラ紀元』『ドラキュラ戦記』そして『ドラキュラ崩御』の三部作。それは同時にボウルガードの一生であり、不死を得た吸血鬼と老いて死ぬ人との美しく哀しい恋の話でもあり、そしてその運命を受け入れ乗り越えて成長していくジュネ、ケイト、ペネロピの話でもあるのです。

そういえば二作目ではペネロピは名前がちらちら出てくるだけだな。三作目ではそれなりに活躍してるのに。まあそれはジュネも、か。

このジュヌウィエーヴ、通称ジュネってのが欧米の作家が書いたとは思えないくらいの萌えっ娘で、500年を生きてあらゆる経験をしてきたので精神は老成しているはずなのに案外お人好しで非情になりきれない娘さん。いや、娘じゃないんですが見かけは16歳の美少女なのであります。それはどこのアルクェイドですか、という感じで、この子がいなかったらドラキュラ紀元はただ著者の博識を自慢するだけのものになってたんじゃないかと思うくらい。欧米の作品としては珍しいですね。

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