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フェルマーの最終定理 読了

実に興味深い内容でした。

フェルマーの最終定理とは次のようなものです。
xn+yn=zn (nは乗数)
この方程式はnが2より大きい場合には整数解を持たない

xとyが直角三角形の直角をなす2つの辺で、zを斜辺とした場合
x2+y2=z2 (2は乗数)
これが成り立つ事はピタゴラスの方程式として有名ですが、乗数を一つあげた形、
x3+y3=z3 (3は乗数)
を満たすx、y、zの整数解は存在しないのではないかという命題です。確かにどう計算してもそのような解はないのですが、しかしそれはどんな数をもってきても間違いないのか。それを証明出来るのか?
これを証明しようとしてなんと3世紀もの間、幾多の天才達がこれに挑み、そして敗れてきました。ところがある一人の数学者がついにこれを証明しました。この本はその顛末を書いた本ですが、同時にフェルマーの最終定理を巡る3世紀に渡るドラマを生き生きと書いた本でもあります。

この証明には日本人も大きな貢献をしています。差別されていた女性数学者、若くして決闘で散った天才もいます。何人もの天才達の生涯を飲み込み砕き、そして豊かにしてきたこの定理には様々なドラマがあります。

数学には苦手意識のある人も多いかと思いますが、この本は読んでおいて損はないでしょう。純粋数学とは何かという事も少しは実感出来ると思います。

というか、たいていの「数学嫌い」は「算数嫌い」です。大学に行った程度ではほとんどの人は数学と言うほどのことはしていないはずですから。無論だから好きになれるとかいうのとは違うんですが、単に数字が嫌いだからフェルマーの最終定理なんか興味ない、というのはもったいなかろうと思うわけであります。

かくいうまたはちさんも数学というか算数はそれほど得意ではありませんでした。大学では二重積分のあたりで何がなんだかわかんなくなった経験があります。今でもどうやって単位を取ったのかさっぱりわかりません。楕円曲線もモジュラー関数もさっぱりですが、それでもこの本はたいへん面白く思いました。

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