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ヤバい経済学 読了

面白かった……。

我々が直感的に思っている事と真実とが違っているということは良くありますが、それを数字で示されると眼から鱗がぽろぽろと落ちます。この本では社会の様々な問題を経済学の手法で解析していきます。まるで社会学ですが、あくまでも利益という観点から解析していくのでやはり経済学でしょう。

あなたに幼い娘がいて、二人の友達がいます。一人はプール付きの家に住んでいて、もう一人は家に銃を置いている家庭の娘です。さてあなたはどちらの家に娘を遊びに行かせるほうが安全でしょうか?

90年代はじめのアメリカで少年犯罪が激増しました。誰しもが暗い未来を予想したのに、90年代後半、少年犯罪は激減したのです。……なんで?景気が良くなったから?銃を規制したから?画期的な取り締まり方法ができたから?

コカインやヘロインなどの麻薬はとても高価ですね。当然それを売り歩く売人は金持ちです。少なくともそう思われています。けれどよく見ると彼らのほとんどはママと一緒に狭い団地に住んでいます。……あれ?何十万ドルもヤクを売っているはずの彼らがなんで豪邸に住んでないの?

これらの疑問に経済学の観点から答えを出していくのです。大量のデータと優れた分析から導き出された答えは、多分あなたの直感や常識、倫理とはかけ離れているでしょう。それも、とても大きく。
ちなみにアメリカにある600万個のプールで死ぬ子供の数は年に550人。銃は2億丁あると言われていて、毎年銃で死ぬ子供の数は175人。てことは……プールは銃よりも100倍危険。

もちろん話は単に銃とプールの数を数えただけではなく、いろいろな環境要因も計算に入っています。2億丁の銃が全部家庭にあるわけじゃないし、子供が銃で遊ぶ確率はプールで遊ぶ確率よりも低いし。けれど色々な要因を計算に入れてもプールはとても危険なのです。

なによりも凄いのは犯罪減少の理由。上で挙げた推測はすべて外れ。データが示した真の原因は……?

他にも実に興味深いテーマが分析され、わかりやすく解説されています。本当に面白いのでぜひご一読をお勧めします。

なお、相撲で八百長が行われているという事を数字できっちり証明しているあたり、一部の人には不愉快なものかもしれませんね。何しろ日本では以前、八百長を告発した関係者が記者会見の前日に、同じ病院で同じ日に、同じ病気で死んでいます。どう考えても怪しいのですが、警察は捜査をしませんでした。つまり触れるにはヤバすぎる領域なわけで……。

この証明はとても興味深いので是非読んでもらいたいのですけどね。

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