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狼と香辛料を読みました

旅の商人という設定はそれほど珍しくありませんが、この作品ほどその「商売」を太いテーマにしている作品はあまりありません。作者が株取引を結構やっているようで、なるほど商売の描写に説得力があるわけだ。毎回根っからの商人であるロレンスが欲の皮をつっぱらかしたり危ない橋をわたったりする様はハラハラさせられます。しかし欲ボケにはなりきれずに最後には「人間」と「商人」のバランスをうまく取ることのできるロレンスはなかなかの器量人。ホロの助けを借りることがあるとはいえ、たいしたものです。

今回は縦軸として毛皮取引がテーマとなっています。北方への大遠征が取りやめになったせいでロレンス達も何回か危ないことになっているのですが、この街にもその影響はしっかりと出ていたのです。

そして横軸となるのが数百年を生きる賢狼ホロとまだ若いものの才能ある商人のロレンスとの微妙な関係ですね。好意を持ち合っているのはわかっていて、しかし近い内に別れることは必然だしそもそも種族が違いすぎるしでお互いはっきりと気持ちを口に出さなかった二人ですが、いよいよ旅が終わりに近付いてきたのがわかって追い詰められていく……そのあたりがまたヤキモキさせられます。

さて帯に書かれた「関係が急展開」とはついに別れを決意するのか、それとも……?

というわけで楽しく読ませてもらいました。

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