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伝説の勇者の伝説 11巻まで読了

ざるそば氏から勧められた『伝説の勇者の伝説』を11巻まで読みました。このまま行くとかなりの大作になりそうですね。

技術的には火器が発達する前の世界となります。とはいえ魔法というものが存在するので火器を開発する動機に欠けるだけで、科学技術自体はそれなりに発達しているのでしょうか。

主人公、ライナが生まれたローランドという国は貴族が横暴を好き勝手に働く軍事国家で、孤児などを戦闘訓練施設に収容し、必要な能力を持ったものだけを生かしておく等という事が普通に行われている国です。ライナもそのような施設の出身者で、さらに魔眼の持ち主。魔眼が暴走するとまわりの人を例外なく殺戮するので忌み嫌われています。本人もその眼と、そしてその持ち主である自分を嫌い抜いており、かといって自殺する事も出来ず、日々をなにもせずに過ごそうとしています。

ですが、上級の訓練施設で出会った友人が国そのものの状況を大きく変えます。王の息子でありながら身分の低い母を持ち、今の国のあり方を憎んでいるその男、シオン。能力も人望もあり、人格的にも優れた彼は誰もが笑って暮らせる国を作る為に軍で出世し、王を追放し、貴族を粛正していきます。そしてやる気はないものの知能も戦闘能力も圧倒的なものを持ちかつ親友であるライナを使う事にします。

任務は「各地の伝説に残るほどの『勇者の持ち物』」を探す事。現在最強と呼ばれる魔法騎士すら問題にしない力を持つそれらの遺物を探し国の管理下に置くとはきっと理想の国造りに役立つはず。

そしてライナには剣の達人でありだんごをこよなく愛する少女剣士、フェリスが護衛と監視を兼ねて付けられ、彼らは探索の旅に出るのでした。

……とまあここまではさほど代わり映えがしない話なのですが、この作品ではそれほどのどかに話が進みません。
「理想の国」など簡単に作る事ができるわけがありません。人には欲望も事情もあり、国にもあります。それがぶつかれば戦うしかなく、血が流れます。誰もが笑って昼寝をしていれば良い国、それを作る為には敵対するものをことごとく潰していくしかなく、その矛盾と……そして今の力を得る為に支払った代償のためにシオンは壊れていきます。理想の王、英雄王と呼ばれた時間は終わろうとしています。

ライナもただ旅をすれば良いというわけには行きませんでした。彼の眼はただの魔眼ではなく、もっと危険なものでした。またただでさえ忌み嫌われている彼はその力ゆえにさらに大きな動きに巻き込まれていきます。

そして他の国も、他の人々も、それぞれの理想と事情を抱えて動きます。もちろんそれは平和的なものばかりではなく、殺戮と破壊、憎しみと恐怖がぶつかりあうものになっていくのでした。

というわけで本作はなんと11巻になってやっと序章が終わり、ガスタークの勇者王、ローランドの英雄王、そして三人目の王……ライナが立ち上がることになります。このままのペースで行くと20巻とか30巻では終わらないような気がするのですが。

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