- 2008.07.21 月曜日
- オタク界隈 > 小説関係
有川浩さんの『図書館戦争』シリーズを一気買い。金もないのに。
しかし買った甲斐はありました。めがっさ面白かったです。
「公序良俗と人権を守るため」として成立してしまったメディア良化法はあっという間に強烈な検閲制度と化し、それに抵抗した図書館は検閲のためには殺人も行う良化隊との抗争のために武装化しました。30年が経ち、強権を持って検閲を強行する良化特務機関と武力を持って本を守る図書館隊とは血で血を洗う戦闘を繰り返す間柄になっています。
民主主義・自由主義国家の日本で言論の自由を巡って二つの武装集団が白昼堂々戦闘を繰り返すという異常な状況。そんな世界でのお話です。
しかし買った甲斐はありました。めがっさ面白かったです。
「公序良俗と人権を守るため」として成立してしまったメディア良化法はあっという間に強烈な検閲制度と化し、それに抵抗した図書館は検閲のためには殺人も行う良化隊との抗争のために武装化しました。30年が経ち、強権を持って検閲を強行する良化特務機関と武力を持って本を守る図書館隊とは血で血を洗う戦闘を繰り返す間柄になっています。
民主主義・自由主義国家の日本で言論の自由を巡って二つの武装集団が白昼堂々戦闘を繰り返すという異常な状況。そんな世界でのお話です。
作中では凶悪犯罪を犯した少年の読書傾向を探るために図書館に圧力をかける警察や、ヒステリックに「有害な」本をなくそうとする市民団体、萎縮してしまったマスコミ、当事者不在で勝手に差別語を決め、その言葉を含む書籍を「狩る」良化特務機関などが登場します。それは今の日本でも十分にあり得るというよりすでにいくつもの実例のある話で、図書館戦争との違いは武力をもって書籍狩りを行う良化特務機関とそれに武力で抵抗する図書館隊がないくらいのこと。このまま言葉狩り、検閲が進めばいずれはあり得る未来です。
作品中では良化特務機関側の人間の話はあえてほとんど出てこず、良化特務機関はその過激さを危惧している政府関係者も少なくないのにいよいよ強権をふるう悪の組織のように描かれています。しかし図書館隊も正義の味方というわけではなく、いろいろな矛盾をはらみ後ろ暗いところも多分にある複雑な組織として登場します。
それでもやはり根本に流れるのは思想・表現の自由は最大限守られるべきであり、例え「有害」な情報であってもそれを選び読むのは個人の自由に任せるべきであるという思想です。当たり前といえば当たり前な思想でありながら、国民の大多数は自分に火の粉が及ばないうちは検閲から目を背け、いつの間にかじりじりと選択の自由を奪われていくのです。
骨太な背景に魅力的なキャラクターをうまく組み合わせた結果、読み応えのあるとても面白い作品になっています。ハードカバーのみで本編四巻だけでも6000円を超える価格になってしまうのでなかなか手を出しづらい作品ですが、本が好きな人、執筆に興味のある人はもちろん、そうでない人にも是非読んで欲しい作品です。
作品中では良化特務機関側の人間の話はあえてほとんど出てこず、良化特務機関はその過激さを危惧している政府関係者も少なくないのにいよいよ強権をふるう悪の組織のように描かれています。しかし図書館隊も正義の味方というわけではなく、いろいろな矛盾をはらみ後ろ暗いところも多分にある複雑な組織として登場します。
それでもやはり根本に流れるのは思想・表現の自由は最大限守られるべきであり、例え「有害」な情報であってもそれを選び読むのは個人の自由に任せるべきであるという思想です。当たり前といえば当たり前な思想でありながら、国民の大多数は自分に火の粉が及ばないうちは検閲から目を背け、いつの間にかじりじりと選択の自由を奪われていくのです。
骨太な背景に魅力的なキャラクターをうまく組み合わせた結果、読み応えのあるとても面白い作品になっています。ハードカバーのみで本編四巻だけでも6000円を超える価格になってしまうのでなかなか手を出しづらい作品ですが、本が好きな人、執筆に興味のある人はもちろん、そうでない人にも是非読んで欲しい作品です。
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